「人生の4コーナー」を曲がった釣り好きが考えることとは

”最後の直線をどう生きる”やっぱり「釣りの神様に、ありがとうございました」と言いたいです。

光陰矢の如しと申しますが、気が付けば63歳を迎えていました。特に目出たい訳も無く、イベント事も有りません。ここ数年は還暦を過ぎ、明らかに体力など肉体的な衰えを感じながらも、まだまだ大丈夫だと空元気を出しながら、釣りに仕事に精を出す日々を送っていました。しかしながら、昨年の6月中頃の早朝の釣りで転落事故に遭い、手首と骨盤周りの骨折で全治3ヶ月の大怪我をしてしまいました。初めてのレスキュー隊の方の救出を受け、初めての救急車体験と入院生活をしました。この夏、手首のプレートを外して治療は終了しましたが、右手首の可動域は3割程度の回復しか無く、違和感は消えません。でも、この期間にいろんな事を考える時間が出来て、健康な日々を重ねている時には気が付かなかったことが見え出し、人生観が変わりました。

全力疾走できる時代が、人を大きく成長させます。

仕事も人生も、一生懸命に取り組んできました。時には感情の思うがままに行動し、猪突猛進してしまい、後悔することも度々ありました。「とにかく動こう!」と考えて、タイム・イズ・マネー的に行動した時代もありました。今振り返ると、そういう時代があったからこそ、今の自分があるんだと思えるのです。自分の”精一杯”を知り、出し切れたかと自問し、やりきったと感じる体験が、人を大きくするのではないでしょうか?病室のベッドの上で挫折感を感じながら、心の中で「まだ、立ち上がれる。」と叫び、自分を信じようと思えたのも、やりきった体験があればこそだと感じます。

最後はラストスパートでなく、スロージョギング。

大怪我をする前は、人生のラストスパートをどの時点で駆け抜けようかと考え、大成功を夢見ようとしていました。ところが、死ぬかもしれない体験をし、生かされていることに気が付き、「ありがとうございます」の意味が沁み込みました。何に感謝し、何をしなければいけないかを問い直し、自分が出来ることを考えてみました。勿論、妻を始めとする家族に感謝することは基本ですが、自分を育ててくれて尚且楽しみを与えてくれた「釣り」にどういった形で感謝をすることが出来るのかを考えています。そこで、スロージョギングを知り、自分のベストなスピードで走りたいと思いつきました。疲れないスピードで、隣の人と笑顔で会話出来る速さで走る。これが、スロージョギングです。自分のできる感謝の形を、自分の無理がない速さで、周りの人と笑顔を共有しながら、歩みを進めたいと思っています。

たくさんの釣り仲間に、感謝を伝えたい。たくさんの後輩たちの、笑顔が見たい。
素晴らしい時間をくれた「釣り」に、精一杯の感謝を!